これは実際に私の身に起こった話です。
私はイタリアが大好きで、Facebookのイタリアの景色や建物の写真の投稿によくコメント
をしていた。
いつの日からか、急に外国人から友達リクエストをもらうことが増えた。
知らない人で、まして外国人を友達承認するのは怖かったので無視していた。
それでも、何回もFacebook上でコンタクトしてくる、自称ロシア人の男性がいた。
私は数十通に一回ほどメッセージを返すようになったが、信用はしていなかった。
彼曰く、自分は船長で今、商品を供給するためにノルウェーに向かっている途中だといっ
た。それならと「甲板で夜空をバックにあなたが映った写真を見たい」と送ってみた。
すぐに甲板上から海と月をバックに本人自撮りの写真が送られてきた。
プロフの写真と一緒の人物だった。
単純な私はまんまと信用してしまった!
そのうちに彼は、身の上話を送ってくるようになった。
「ウクライナ生まれで幼い時に両親を亡くし孤児院で育った。」「結婚して女の子を授かっ
たが、妻は病気で亡くなった。」「職業はお金を稼げる船員を選び、厳しい訓練に耐えて船
長になった。」「ウクライナは危険なのでドイツに大きな家を購入した。乗船中、娘は学校
の先生の家で預かってもらっている。」などなど。
よくできた話しやなぁ、と思ったが、特に質問はせずにふーんって感じで読んでいた。
私はそろそろお金の話が出てくるかな?と、少し面白半分にいたが何も起きなかった。
その後も毎日のようにやりとりはしていた。
1ヶ月以上経った頃、その人のLINIDが送られてきて「LINE交換しましょうと」何度も送っ
てきた。またそっくりな顔の娘さんと一緒の写真や、船の調理室で撮ったコックさんとの動
画をリアタイで送ってきたりもした。
ずっと断っていたが、段々めんどくさくなりLINEでのやりとりにOKをしてしまった。
当初の危機感が薄まってきた頃だった。
LINEを始めると、徐々に私に対してアプローチする言葉が増えてきた。
「私はあなたを愛してる、あなたはとても美しい、人生にはあなたが必要、あなたと暮らし
たい、出会ったことを運命に感じる、今はあなたに会えることだけが私の希望!」
と外国人特有の歯の浮くような言葉がスマホに埋まり始めた。
私は美人ではないし、こういう愛の言葉がすごく苦手でイヤだった!
自分の年齢と、持病(心臓病)と高齢の母の介護を理由に断わり続けたが、まだまだ続い
た。あまりにもしつこいので、
「実際に会ってから考えたい!まだ一緒に暮らすとか考えられないです。」と伝えた。
その後、愛の言葉は減りホッとしていたところに、彼は金銭トラブルに巻き込まれている話
をし始めた。
今、自分は、ノルウェーから商品を供給するためデンマークに向かっている。ノルウェーの
企業と4億円で契約しているがまだ半分しか支払われず困っている。
会社と交渉したら、海賊船から荷物を守る業務に就いたら、二週間後に契約を解き契約金も
支払い、下船も可能にすると通達してきたという。
海賊船という言葉や、船長を違う任務に変えたり下船させるという全くおかしな話になって
きた。
PART2 に続く
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