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京都

  • YOKO
  • 2023年5月17日
  • 読了時間: 2分


1998年12月第2土曜日。京都半日バス観光に出かけた。


線路わきのコンクリに無数の直角をつくる雨を見ながら、

久しぶりに大阪駅からJR京都線新快速に乗り込んだ。


京都駅まで30分間、目をかっぴろげて外を見た。

天気が良すぎると30分も目をかっぴろげられないので、

雨で良かった。


女の子の寝顔を盗み見したり、サントリー山崎蒸留所あたりの山が

雨でけむっていたりするのも旅行気分で楽しい。


出来たばかりの京都駅ビルは

わたしの知る京都駅でなくなっていた。

このターミナル建築には賛否両論があったし新聞で酷評を読んだが、

古都と対極なこんな駅でもいいと思った。


117段大階段は風が吹き抜け寒かったが、

カフェにはひざ掛けがあった。


昼間はぎらぎらしているが、

夜になるとこの建物は自分を主張しない。

メリークリスマスの文字もツリーも控えめで、

ライトアップされた京都タワーを壁面に映し出していい感じだった。


金閣寺は、雨にいぶされ重厚な輝きを放ち、

銀閣寺は、濃淡もみじが地面一面にしっとりはりつき、

賀茂川の柳にカラスが“ぽってり”とまっているのも何ともいえない。

ピンクの傘で路地をゆく若者の後姿まで絵葉書にしてしまう。

京都は小憎たらしい。


清水寺で、長雨を耐え抜きしだれている、

熟れた紅葉のすきまから差し込む夕陽を見た時

やっぱり雨で良かった、と確信した。


京都三大名所めぐりの帰途、赤く電飾された十字架があった。

バスが左折すると、

遠景にライトアップの京都タワーがそびえていた。


赤い十字架と京都タワーが車窓から消えるまで見続けた。




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