最近湯船に浸かるようになった。
乱暴に素っ裸になりダイレクトインする。
安物の入浴剤のうえ、鼻がきかないので柚子の香りは分からない。
あーーーやっぱり気持ちええわぁ、、、
大学生位までシャワー無くて、洗面器で湯船からすくって体も髪も洗ってたよなあ、、、
ゆるい体育座りの膝にオデコをつけ、
換気扇からダダ漏れの飛行機の音を聞いていると
色んなお風呂を思い出し始めた。
“父のビー玉マジック”
パクっと口に入れ、大げさにゴクリと飲み込み、ほらと手を広げ見せ、
満をじしておおげさに耳から出す。
「ううーーーーん、よいしょっっ!」
子ども心にも胡散臭さを感じ、後ろに回している父の手を引っ張っても動くはずなく、
笑っていた父の白い歯。
大人の体育座りで一杯な狭い木の湯船には、
回すとボッと音のする銀色のレバーがあった。
湯船底に段があり、木のふたがずれると赤銅色の箱に黒い穴がたくさん空いてた。
ものすごく恐かった。
赤と青の導線を湯船にたらし、
水位が達すると「ピィ~~ィィ~~~~」
何とも情けない音の出る、でもとても便利なものを兄が作った。
水栓を止めてガスを焚く。
何日か追い炊きで入るので、垢をすくうアミがあった。
全身を洗ってもらい、そのタオルを洗面器で洗う母。
きたないと思わへんのやろか・・・
「お風呂の神様ごめんさない、ゆうてオシッコするんやで」
守り続け、娘に教えた。
母が湯船でしてくれていたタオル遊びを娘にもした。
倉吉で祖母と銭湯に行くと、
幼児の私は湯船のふちを持って移動しながら泣いて入らなかった。
「都会の子ですけなぁ」
周りの人に謝っていたと母に聞いた。
祖母はタオルを真ん中でひと結びして背中を洗っていた。
宿泊先で熱湯栓の湯を手の甲に浴び、味噌を塗りつけられた事もあった。
近所の「極楽温泉」に行ってみた。
番台のオッサンが暖簾のすきまから見えるのが気になるが、
オバちゃんのハダカ興味ないやろう。
出産してからタオルで身体を隠さなくなった。
いろはにほへとちりぬるを。
靴を入れるのどこでもええのに一瞬の迷いはなんだろう。
電気風呂、バスクリン風呂、季節湯、普通湯、ミニサウナ、
水風呂、人間乾燥機。狭いながらも揃っていた。
のぼせ体質なので電気風呂以外チャチャっと入り、
見ると「エステ風呂」なるものがある。
中腰で入ったとたん、
腰にありえへん圧のダブルジェット水流に前のめり顔ついた。
「腰とちゃう!!」
肩甲骨に頂きたいのでしっかり手すりをつかみ沈むも目までつかる。
おぼれ死にするやないか。
すったもんだの帰り道、冬なのに汗だくになってしまった。
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