平成3年27歳。専業主婦が不向きな私は
寝たきり主婦を卒業した。
数か月は旦那と一緒に起き、
洗濯機を回した。
行ってらっしゃい、
を言うと布団に直行した。いくらでも寝られた。
派遣先は田町で、
南武線から2駅目のJR川崎から京浜東北線で通った。
森永本社側で降り、陸橋を渡り、図書館の横を通過し、
銀行角の横断歩道を右手に東京タワーを見ながら渡り、
慶応義塾大学前の坂をのぼった。
住所は港区だった。
通勤道に「おこと教室」の看板があり、
いつみても「おとこ教室」に見えた。
陸橋階段下のパラソル露店の花屋さんで、
時々ガーベラを1本買って帰った。
帰宅ラッシュで押しつぶされないよう
両手でガーベラを胸に抱えた。
ガーベラは私を見上げ、プルプルしていた。
“あたしが守ってあげるから!!”
その時「おとこの気持ち」が分かった様な気がした。
多摩川を渡るとき、
“これが淀川やったらええのにな 、、、”
毎日思っていた。
Comments