ENGLAND
- YOKO
- 2022年10月19日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年5月27日

6月末のロンドンは異常気象で35度を超えていた。
ヒースロー空港に花を持って迎えてくれた彼と、
暑い通路を抜け地下鉄に向かった。
ホームも電車もダブルデッカーバスも冷房が無かった。
暑い。なんで冷房ないの?北海道と北緯が近いし聞けなかった。
人生の半分をロンドンに暮らす日本人の彼は
イギリス人化していた。
ロンドン郊外のバス停で降り目の前のコンビニに入った途端、
エアコンで生き返った。
彼のフラットの広い屋根裏部屋はダイソン扇風機でしのげた。
夜10時まで暮れそうで暮れない空色だった。
コンビニで買ったパンプキンスープを作ってくれた。
口に入れて、「これは洗礼だ」と思った。
カボチャ色のお湯だった。
素材の味を楽しむ、、、
言いながら食しているイギリス人化している人に、
「スープは希釈?ストレート?」聞けなかった。
流行っているベトナム料理店の春巻きのようなものはベチャベチャで、
ヌードルの椀の底の汁は重油に見えた。
インド人のカレー屋にも期待を裏切られた。
セントポール大聖堂の裏庭で食べたテイクアウトのカツカレーは
日本のルウの味がした。
地元人オンリーの食堂で“イギリス風モーニング”を食べた。
ワンプレートにパン、サラダ、ソーセージなどがのっている。
シャウエッセンをイメージして食べた私は大間違いだった。
素材の味がわからない。
だが、イギリス人化しているイギリスラブな人の前で
テーブルにある調味料をぶっかけるのはやめた。
チョコレイト棒アイスのチョコはチョコの味なく、
茶色いプラスティックに見えた上、
バニラの甘味もない。
一個残ってるけど食べる?聞かれて遠慮した。
韓国人の焼き肉屋より近所の焼き肉屋が美味い。
フィッシュ&チップスは皿からはみ出る丸上げの白身魚で、
ビールと口によく合った。
毎日そこに誘導したおいしいサンドイッチカフェで
分厚いサンドイッチをフォークとナイフで切る姿に、
彼のイギリス人化に心の中で太鼓判を押した。
道路が家庭のパーキングになっているので、
ダブルデッカーバスの運転の荒さは凄かった。
乗った途端急発進急ハンドルする。
すぐに棒につかまりポールダンス半周し、
勢い椅子に座る技を身につけた。
二階席の眺めはいいが、上がるのに揺れで難儀した。
二週間滞在し、関空から梅田行きのバスに乗った。
冷房は心地よく、氷上を走っているような乗り心地だった。
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