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YOKO

「テレビ窓口」女子銀行員

更新日:2023年11月11日



銀行は合併合併でもうワケがわからん。


“テレビ窓口”ってなんだ。

リモートだのテレビ会議だのズームだの、

ハイソな世界とは無縁のわたし。


”テレビ窓口“とやらの窮屈な部屋に閉じ込められた。


目の前のモニター画面にマスクをつけた若い女子行員。

ほぼアップの顔。

オデコを出し、センター分けしている。

目の化粧も髪型も22歳の娘そっくり。


テレビなのに何故マスク。


口座の名字変更のため、

通帳とマイナカードとキャッシュカードを枠内に置かされた。

切り替わったモニターに映る自分の手の甲。

画素の粗さでその老いに気が滅入る。


そのうえ、他行のキャッシュカードを持参していた。


「あっ!!しまったっ!間違えたっっ!!」

「しまったぁ、、、、、色が似てるから、、、、、、ああ~~」


モニター上の小さなカメラに向かって言った。


『おはなしは目でしましょう』

小学校一年生の担任に教わった。


女子行員、無言。ノーリアクション。

これも娘と同じだ。


なんだこいつは、、、、、

AIロボットか?

アイボだって小首のひとつかしげるだろう、、、


「係員と次回の予約を取ってください」


ロボットに言われ退出し、

ベテラン風のおばさん案内係の元へ。


「これねぇ~間違って持ってきてしまってねぇ~、

ほら、色が似てるでしょう?」

「ここ、わたし小学生の時から口座もってるんですー」


「ありがとうございます~、似てますねえ~」


地球最後の人類とやっと会えた気分だった。


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