WBC決勝戦で、試合前の「君が代」で涙が出た。
美しく厳かな、心に染み入る旋律に、余韻の残る短さ。
戦争時代と違い今は“あなたの幸せを願います”
という歌詞だと聞いた。
アメリカの国歌は、大勢が胸を張り行進するイメージがわく。
殺しあったアメリカ人と日本人がスポーツで闘う姿を見て、
白黒の映像が浮かんだ。
サングラスに大きなパイプをくわえタラップで、
敗戦国をぐるりと見まわすマッカーサー。
みすぼらしい子供たちがGHQの車に群がり「ギブミーチョコレート」
エサのようにばらまくアメリカ人。
それから80年近く経つ。
今、同期の桜は散ることなく何十年後も笑いあえる。
イエローモンキーと呼ばれた日本人、差別の続く黒人、そして白人。
3つの色がWBCロゴの風車を回り同化した。
武器を持たず、闘っている。
―仲良きことは美しきかな― 武者小路実篤
小学校の友達の家にあった額。この言葉と素朴な絵を思い出した。
満員のマイアミ球場の観客にマスクはない。
日本では桜がこれから満開の季節を迎える。
ひさしい『平和』
色々な感情が「君が代」の涙になった。
―和を以て貴しとなす― 聖徳太子
世界が絶賛する日本野球が勝利した瞬間、
顔をおおい、おめでとう・・・と言いながら
2度目の涙を流した。
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