令和5年9月3日、日曜の昼下がり。
3ヶ月ぶりの美容院の帰り、梅田のド昭和喫茶店に入った。
喫煙可で場所もよいのでいつも混んでいる。
壁はほぼヤニ色だ。
割と広いホールを2人の若い店員がテキパキさばいていて、
言葉遣いも所作も悪くない。
一番奥の角席に案内され、
アイスコーヒーとハムサンドを注文。
左に真面目な大学生風男子が2人向かいあい、
それはそれは楽しそうに話をしていた。
古い型の時計をテーブル中央に置き、
マニアックな単語が飛びかう。
飛びはねる会話のテンポはバランス良く、
途切れることなく、
耳に心地よい。
夢中で語り合う若者に“生のおすそ分け”をもらった。
「この喫茶店、ひとりじゃちょっと入りにくいですよねー」
「そうですねー、誰かと一緒だったら、、、って感じですね」
SNSで知り合ったのだろうか、始終敬語だ。
2人が頼んだトーストメニューが時間差でテーブルに置かれた。
彼らは同時に手をあわせ、
「いただきます」
か、かわいい、、きもちがいい、、、おそだちが良い、、、
でもこの子ら、家に帰るとスマホ人間になって
親と口もきかへんのかもなぁ、、、
彼らの後ろの若いカップル。
座高のあるデカい背中に向かい合っているのは、
肩までのさらさらボブ、白いノースリーブの腕白く、
流行りのアイメイクで盛らない清純匂う、
何度見もしたくなる可愛い女の子だった。
「俺はなー、無償の愛でやったってんねんやんかあー」
その類のはなしを声高くひたすら喋り続けている。
女の子は並びのよい白い歯を見せている。
冷房で寒いのか、
右手で左の二の腕を押さえていた。
まもなく席を立った男子のイケメン度と
彼女の声は確認できず。
フラれるな、、、、、
阪急大阪梅田駅のホームは
今日もゴミひとつない。
そして今日も天井の蛍光灯をぼやっと映し、
テカテカに光っている。
ハムの添加物の嫌な味が舌にある。
もっとええハムつかわなアカンわ、、、
宝塚線に乗る。
三国の青い上空に白クジラのジャンボ機が、
のっそり伊丹空港へ向かっている。
数秒後に到着するだろう。
なんだかんだゆうて、
なんか、今日の私は平和。
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