昭和の終わり、20代半ばころ。
『土井勝料理教室』に通っていた。
梅田阪急グランドビルにあった。
胸当て付きエプロンが苦手で、
足からはいて友だちに笑われていた。
善晴先生の家庭料理クラスはすごい人気で、
早めに予約しないと受講できなかった。
その日の献立をまず先生が作られる。
「先生は少し塩からい方がすきです」
と言いながら分量より多くお塩を入れたり。
蒸しプリンをお皿にひっくり返すのにくずれてしまい、
「先生はしっぱいしましたが、
皆さんはしっぱいしないように、、、」
などと言われる。
「まあ、こんなもんですわ」は、
口癖のようだった。
洗い物をしていると
「おおー!家であらいもん手伝ってるなあ!!」
声をかけてくださった。
白い講師上着の善晴先生の肩幅が大変広いので、
“肩パット入り”なのか聞いてみようと友達と言ってたが、
聞けずじまいだった。
テレビの中で料理番組の善晴先生は、
30年以上前と何ひとつ変わっていなくてうれしい。
『土井勝料理教室』にいらしたのは短い間だったと知り、
見るたび懐かしく、
自分は幸運だったなぁ、、、と思っている。
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