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谷町線なんかで

  • YOKO
  • 2023年5月2日
  • 読了時間: 1分



ネクタイがゆがんだ年配のサラリーマン二人が座るなり、

「そやけどあれでんなぁ、、、」

「ほんまそうですわー」


そんなやり取りのサラリーマンを見ると、

脱がせてステテコ姿にする。

サッカー生地の半袖シャツとステテコにして家でくつろがせる。


関東に住んだ事があるせいかもしれない。

大阪弁は子守唄に聞こえる。


久しぶりに東京へ行った。


切符購入窓口で後ろに人が待っているのを目の端で確認し、

お釣りの小銭を素早く滑らして場所をあけると、

「いいのよーそんなに急がなくても」

にこやかにおばあさんに言われた。

お釣りをもたもた財布に入れていたら関西だと

「はよせいや」だ。


天神橋筋商店街の喫茶店で、おばあさんがパンを両手で持ち、

ゆっくり食べ、スプーンでゆで卵をたたいた時、

ひよこが生まれるのを手助けしてるのかと思った。

「いいのよーそんなに急がなくても」

あの方なら言ってくれるだろう。


同じ会話でも大阪弁の方が標準語より面白く聞こえるのが不思議だ。

「そんなバカな」

「んなアホな」


自転車の中学生男子がベルを鳴らしたら、

銀色の物が放物線を描いて飛んで行った。

「あーー!!オモロおぉーー!!」


ヤケクソな大声で疾走していった。

路肩にモナカのふたにそっくりなベルの上の部分が落ちていた。


君がオモロイ。




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